感性へ向かって

先日の浪華写真倶楽部に出品した写真は松岡建さんの京都のギター工房デーイリトーンで撮らせていただいたものだ。

二ヶ月前を遡って、「自転車がパンクした。どうしよう!」と思いながら自転車屋さんを探していた途中に妙な古い一軒家の前に通った。外からギターが生ハムみたいに天井からぶら下がって「面白い!」と迷わず自転車を止めて店に入った。「ギターを作っているのですか。」といきなり訊いてみた。見て当たり前だったかもしれないがやはりそうだった。写真が撮れるかと尋ねたらあっさりOKをもらった。もう一度パンクしてみたいぐらい嬉しかった。これが最初の始まり。そこからほぼ毎週、時には一週間に二回もお邪魔して作業撮影をし続けた。そして先月の末に、このギター工房をテーマとして次回の写真展に持って行きたいと建さんに報告したら喜んでもらった。

一ヶ月間、店に通ってやっと仕事の流れが若干分かって、撮っている写真が何となく作業の雰囲気を伝えるようになった。建さんの仕事ぶり、情熱、熱心さ、暖かさがまだまだ浮かんでいないが、これからだ。

10OpereDailyTone

今回、5回にわたって、4月の浪華写真倶楽部の例会に出品した写真について自分の感想を書きます。以前はノートに書いていた習慣があったが、今回からはこのブログを使うことにした。

10枚の写真、それらの選択方法と並び方、そしてちょっとした編集の内容だ。

何が語れるか、何が出来上がるか、又は何を表現しようとしているか。この「表現をする」ということは自分にとって「作り物・嘘・偽造」」の強い概念の現れであるが、今後「何が引き出せるか」の方に焦点をあてていきたいと思う。

DailyTonePrima

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一枚目の写真

建さんの仕事・熱心さが表れているのがこの一枚のみで、他はまだ撮れていない。前かがみの姿、手の置き方・道具の握り方、それに張っている腕の筋肉から作業に注ぎ込む力が感じられる。この写真を撮った時の天気は曇りで、唯一の灯りは天井にある電球だった。カメラの感度を100にしてシャッタースピードをかなり下げて撮影に挑戦し、18-55のレンズキットを使用した。建さんの顔がほぼ隠れている状態だが自分にとってこれぐらいの明るさがよい。

DailyToneSeconda

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二枚目の写真

テーブルの上にある道具を持ってきた。本人が何を使っているか、それをどう使っているかが分かる写真、それにテーブルの使用感がとても大事だと思う。そのテーブルがあるからこそ作業ができ、物が生まれて行く。混沌の中に小宇宙として印象を受けた。右にあるマスク、そして左の奥にうっすら見える眼鏡がギターにスプレーをかける時に使う道具。なかなか危険な作業だが、毎日、時には数十回も使うことがあるそうだ。

協力者:長坂エレナ

About fabiosalvagno

Un italiano veneziano stabilitosi a Kyoto nel 1991. Dopo molte vicissitudini e la perdita di mia moglie, vivo con mia figlia Elena di sedici anni. Amo da morire fotografare e il mondo della fotografia.
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4 Responses to 感性へ向かって

  1. こんにちは~
    パンクが取り持つ縁で 素晴しい工房と出会えたのですね。
    心を込めて作る建さん、それをしっかり伝えるfabioさん、息がぴったりと合っているように思います。
     

    • fabiosalvagno says:

      ハッセルぶらっとさんへ
      彼の仕事の撮影は何とかく軌道に乗った、これからの
      写真が楽しみです(もちろん本人の作品も楽しみです)
      Grazie
      Fabio

  2. barikan says:

    黒マジックの着いた、力の入った指先のしわ、
    と、作業台の使い込まれた質感、が、
    ともに彼の、職人としての歴史を物語ってるようです。

    • fabiosalvagno says:

      Barikanさん
      ブオナセーラ
      職人さんの手、その動きをつかめようで捕まえられない、
      ものを生み出しているその指先が面白いです。
      Grazie
      Fabio

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